夜、ベッドの脇にはいつもお気に入りのグラスを置いています。
眠る前に一口だけ水を飲んで、それをそっと置くのが毎晩の習慣です。
そんなふうにグラスを手に取るたび、ふと思うんです。
「コップ」って呼んでいたのが、いつから「グラス」になったんだろうって。
たぶん、この仕事を始めた16歳少し大人を意識し始めた頃なんでしょうね。
プラスチックのコップからガラスのグラスに変わったのも、きっとその頃です。
ここ数年は、家では珈琲はグラスで
飲むし
日本酒を楽しむときには勉強もかねて
ワインのテイスティンググラスを使ったりします。
グラスって、不思議とちょっと特別に感じます。
触るとひんやりしていて、飲むときの軽い音も心地いい。
それに、朝の光を透かしてきらりと輝く姿も、なんだかいいなと思ったりします。
もうすぐ僕も60歳になる、折り返しはとうに過ぎました。
だからこそ、毎日使うものにも少しこだわりたくなります。
グラス一つにしても、自分が心地よく感じられるものを選びたい。
そうやって小さな満足を積み重ねることで、日々が少し豊かになる気がするんです。
こういう小さな楽しみやお気に入りを大事にしながら過ごすのも、
今の僕にはちょうどいいんだと思います。
今日はエチオピアの珈琲を、あえて陶器のカップで飲んでみよう。
たまにはいつもと違う器で楽しむのも悪くないですね。