居心地の良いお店

居心地の良いお店は、いくつありますか？

きっと、一軒、二軒と数えるうちに、ふと「本当は教えたくないな」と思うお店があるかもしれません。

そんなお店は、誰にも邪魔されず、そっと自分だけの時間を過ごせる大切な場所。

世田谷 上町の静かな通りに、その店はありました。

女性の店主がひとりで切り盛りする、小さなヴィーガン焼き菓子のお店。

ヴィーガンのアイスボックスクッキーや、マフィンが、ほろ苦い珈琲にぴったりの焼き菓子たち。

店内には甘くやさしい香りが漂い、扉を開けるだけで、どこかほっとするのです。

こんなお店、素敵だなと思う。

僕は普段、カウンター席が好きな人間だ。

けれど、このお店に関しては例外だった。

入り口脇のベンチシートが、大好きなのだ。

店の扉を開けてすぐのその席は、ちょうど焼き菓子の香りがいちばん心地よく届く場所。

窓の外を眺めながら、ぽろっと崩れるアイスボックスクッキーをひとつ、そして深くて優しい味の珈琲をひとくち。

そんなお店が、8月はまるまる1ヶ月お休みをとると知りました。

「夏休み、素敵だな」と思う。

ちょっと寂しい気もするけれど、それ以上に、お店と店主にとって大切な時間なんだろうなと思うと、

なんだか嬉しくなる。

きっと、店主は自分のペースを大切にしているのだろうな。

お店も、お菓子も、そして訪れる人の時間も、どこかゆったりと流れるのは、そのせいかもしれません。

落ち着く場所、居心地の良い時間。

僕も、そんなお店を目指したいと思うのです。

居心地の良いお店、一軒目。

是非、行ってほしい。

また、そのうち、僕の居心地の良いお店を紹介しますね。