一年に一度だけ

お正月もそろそろ終わりに近づき、

ふっと静かな日常が戻り始めるころ。

思いだす小さな幸せがあります。

それは、赤坂の豊川稲荷東京別院への参拝の

あとに立ち寄る土産物屋「家元屋」のいなり寿司。

東京の元旦の恒例 赤坂豊川稲荷

このいなり寿司は、昔ながらのつゆだくタイプ。

揚げがふっくらと酢飯を包み込み、

一口かじると甘じょっぱい味がじわっと広がります。

なんとも懐かしくて、優しい味わいなんです。

なんと木村さん(キムタク)もこれを食べたらしいと聞いて、

少しだけ誇らしい気持ちになりながら、

できたてを手渡されるタイミングに恵まれると、

ほかほかの湯気が立ち上がり、

お醤油の香りに思わず顔がほころびます。

家元屋のいなりずし

3個入り360円、5個入り600円という優しいお値段も、

毎年僕を幸せな気持ちにさせてくれます。

ひとつ口にするたびに、

「これこれ、この味!」と心の中で小さく呟いてしまう。

家でゆっくりひとつ、またひとつと

あっという間になくなってしまうのが唯一の寂しさです(笑)

甘酸っぱいおいなりさん

毎年この時期だけの、年に一度のお楽しみ。

普段は意識していないけれど、

こうして特別な時間を持てることで、

新しい一年を迎える実感が湧いてきます。

「今年もまたこれを食べられたなぁ」と思いながら、

この小さな幸せが僕の恒例行事です。

その美味しさも、そこに至る時間も、

特別に感じられるのかもしれません。

皆さんにも、年に一度だけ味わう「特別なもの」、ありませんか?

味だけでなく、その時間や空間そのものが、

日々の中で小さな幸せとなるような何か。

また来年も、変わらないこの味に出会えますように。

そんな小さな願いを胸に、新しい一年を穏やかに歩み始めます。